販売管理システムの導入のメリットは自社業務の標準化・効率化、一元管理したデータの共有および経営情報の可視化が実現できることです。

★本ページの内容

  1. 販売管理システムの概要
  2. 販売管理システムの主な機能一覧
  3. 販売管理システムの在庫管理機能について

1. 販売管理システムの概要

 販売管理システムは、企業が注文を受けてから商品を納品するまでの一連の販売業務における「商品」と「お金」の流れを適切に管理し、業務効率を図るものです。販売管理システムの導入には、業務フローの確立が必須です。一般消費財を販売している会社の業務フローの事例を以下に示します。

販売業務フローおよび販売管理システムの主な機能概要

 販売管理システムは、受注管理、売上管理、仕入管理、入出荷管理、債権債務管理、入出金管理、在庫管理など、受注から入金まで、すなわち一つのビジネス案件の完結までの機能を準備しているのが一般的です。これらの機能を以下にの図示します。

販売管理システムの主な機能

 続いて、一般消費財を販売している企業が販売管理システムと財務会計システムとをデータ連携しているケースを紹介します。ここでは、販売管理システムの「債権債務管理」機能を使用しています。

販売管理システムと財務会計システムの連携の概要図

 債務債務管理機能は多くの販売管理システムに搭載されていますが、その債権債務管理機能がシンプルであるため、財務会計システムを導入した経緯によっては、財務会計システム側で管理するケースも少なくありません。このケースの概要は以下のとおりです。

財務会計システムの債権債務管理機能を利用しているケースの概要

2. 販売管理システムの主な機能一覧

 ここまで、販売管理システムの主な機能について解説してきましたが、細かい機能は業種や業態によって異なります。ここでは、一般的な販売管理システムの機能を一覧にしました。こちらをクリックして、自社の業務で必要な機能を確認ください。

★特記事項:売上入力においては、売上訂正や売上取り消し、値引き、リベート、返品などの処理に注意が必要です。特に「赤黒処理」が重要です。売上入力後の売上訂正や売上取り消しは、その原因が単純ミスであっても、内部統制上はその経緯を記録しておく必要があります。そこで、売上訂正入力や売上取り消し入力を行った場合、マイナスの伝票を発行します(赤伝票)。その後、訂正の場合は訂正後の伝票を発行します(黒伝票)。この処理を「赤黒処理」と呼びます。

3. 販売管理システムの在庫管理機能について

 ここでは、自社で商品を運送しない小売業や卸業の在庫管理システムについて説明します。まず、販売管理(誰に、何が、いくつ、いくらで売れたのか)と在庫管理(製品の出入)を一体で行うことが重要です。これらの業務を支援するのが在庫機能を有する販売管理システムです。製造業の在庫管理については「生産管理システム」のページに記載しています。なお、 自社で商品を運送している企業は物流・在庫管理システムを利用しています。

 在庫管理の目的は「受注時の在庫確認」、「適正在庫の確保」および「在庫金額の算出、財務諸表への落とし込み」です。

 在庫管理の基本図は以下のとおりです。倉庫の中のラックがあります。そのラックに仕入れした商品を入庫して、積んでおきます。そして、受注した数量の商品を出庫して、顧客への配送を業者に委託します。その後に適正在庫数になるように仕入れ(補充)した商品を入庫します。

  在庫管理業務は以下のようなサイクルで成り立っています。

 在庫を管理するための一般的な項目は以下のとおりです。

No.管理項目内容備考
1倉庫コード倉庫名、倉庫の住所、担当、電話番号別テーブルで管理
2ラックコード倉庫内でのラックの数および設置場所別テーブルおよびレイアウト図で管理
3商品コード商品マスターより-----
4商品名同上-----
5繰越数前回の棚卸からの繰り越した商品の数棚卸の結果
6入庫数仕入れした分 -----
7出庫数受注した分 -----
8在庫数適正在庫 -----
9備考在庫表の期間など年月日~年月日

 エクセルのようなスプレッドシートを使用して在庫を管理している企業もあります。しかし、取扱商品の数が多くなってくるとスプレッドシートでの管理には限界があります。在庫の過不足をなくすためには、在庫管理システムを活用し、在庫情報や入出庫情報などを入力して、正確な情報を把握・管理することが有効です。

★特記事項:「適正在庫量(品切れや過剰在庫の回避)」は各企業のノウハウです。在庫管理フローを作成して、ルール化するのが望ましいのですが、ベテランが適正在庫を属人的に調整維持しているケースもあります。しかし、在庫管理システムを導入することにより、売れ筋商品、商品毎の得意先、在庫の回転日数、ひいては商品の流れを把握できます。これを繰り返すことで、商品毎の適正在庫量がルール化され、これがノウハウとなります。最終的に売れ筋商品の在庫不足が発生しない営業が可能となります。

 販売管理システムの調達在庫機能は以下のとおりです(赤色部分)。

販売管理システムにおける調達在庫機能の概要図

  各処理については、以下の表のとおりです。

No.在庫管理フロー内容
1在庫データ確認販売可能な商品数の確認
2出荷指示受注後に行う最初の業務
3出荷処理商品出荷
4入荷処理商品補充
5在庫管理論理在庫数
6棚卸処理論理在庫数と物理在庫数の差異(定期的作業=四半期や半期、1年毎など)
7廃棄処理論理在庫数と物理在庫数の調整(必要に応じて)
8在庫金額換算在庫金額データ (必要に応じて)

 棚卸資産の金額を財務諸表に転記するために、法人税法で認められている棚卸資産の評価方法には「原価法」と「低価法」があります。企業は採用する評価方法を選ぶ必要があります。また、上記の図の売上処理と請求処理からの破線は在庫金額換算機能を必要としているケースを表しています。特に資材、部品、半製品、製品を扱う製造業に用いられます。卸業や小売業のように商品の原価を把握しており、商品在庫の数量のみを管理することで十分な場合には、これらの情報をやり取りする必要はありません。

★特記事項:人的ミスによる誤出荷は、顧客の信用の失墜および財務のマイナスを招く重大な問題です。その解決は、在庫管理システムと、商品にバーコードを貼って、ハンディターミナルを利用するシステムを採用・連携することです。これにより単純な在庫管理だけでなく、棚卸管理・入出荷検品管理・入出庫管理など、より精度の高い在庫管理を行うことが可能になります。

 在庫管理機能を備えたシステムは、業務プロセスを改善するだけではなく、売れ行きに合わせて売れ筋商品を揃えたり、過剰在庫を回避したり、蓄積したデータを活用したりすることにより経営に貢献できます。

ワンポイントメッセージ:販売管理システムは、購買管理、仕入管理、在庫管理や生産管理と密接に関わっており、その導入が企業の生産性向上の鍵です。

 次項の”生産管理システム”は「こちら」をクリックしてご参照ください。