IT部門運営とは、IT組織長がその任務として、会社の経営課題を理解・解決し、事業に貢献するために「会社から任されたIT組織の目標達成および成長を導くIT戦略・方針を策定し、ITメンバーの能力・意欲を最大化し、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を効率的に使うことによって、目標の達成に導くこと」です。
IT部門運営の目標達成に必要な要素は「知識・経験・実績と信頼」です。目的を達成するための「手段」としてIT組織体制の事例を紹介します。
★本ページの内容:
1. IT組織体制の事例集
事例1:IT担当1名(経理担当兼務)
事例2:IT担当1名(専任)
事例3:IT担当2名(専任)
事例4:IT担当6名(専任)+IT責任者
なお、各IT担当の役割分担や責任について「こちら」をご参照ください(参考:マルチベンダーとは、複数のITベンダーとシステム構築・支援契約を締結することです)。
2. ビジネスパワーユーザーについて
ビジネスパワーユーザーとはビジネス部門側に配置され、各部門の業務プロセス最適化を担う業務兼IT要員のことを指します。
★主な役割:
1. 会社主導の新規システム構築のためにIT部門との連絡調整をする窓口業務
2. 現場でのIT活用および他の社員にITの普及活動・支援
3. IT活用による業務プロセス改善を行う現場の立案者・コーディネーター ・プロジェクトリーダー (現場主導)
★特記事項: 各部門にビジネスパワーユーザーを配属することにより、IT業務を円滑に遂行でき、会社全体のITリテラシーのレベルアップが図れます。
なお、ITマネジャー、IT担当およびビジネスパワーユーザーに必要なスキルは「こちら」をご参照ください。
3. 大企業におけるIT部門体制のイメージ
参考1:国内大手企業におけるIT部門体制のイメージ
★参考:IT支援対象は国内であり、IT要員は約100名です(パソコン数5千台以上)。
参考2:欧米系大手企業におけるIT部門体制のイメージ
★参考:IT支援対象は100国以上であり、IT要員は約700名です(パソコン数3万5千台以上。ERP = 統合基幹業務システム)
4. 用語集
- 基幹システム
- 直接ビジネスを支援しているシステム群の総称。例として、販売管理システム、財務会計システム、生産管理システムや人事情報・給与管理システムなど。
- 昨今では財務会計、生産管理、販売管理といった企業の基幹業務をサポートするための統合業務システムのことを「ERP」と言われることが多くあります。(ERP、Enterprise Resources Planning の略であり、直訳すると「企業資源計画」)
- 業務システム
- 間接的にビジネスを支援しているシステム群の総称。これらのシステムに障害が発生しても、業務影響が少ないシステムです。例として、勤怠管理システム、備品管理システムや顧客管理システムなど。
- コミュニケーションシステム
- 電子メールを代表として、スケジュール管理、会議室予約システム、電子掲示板、ファイル共有システムなど。これらのアプリケーションをパッケージ(セット)として提供しているITサービスがあり、「グループウェア」と言われます。よく知られている「グループウェア」として、Microsoft Office 365, Google WorkspaceやサイボウズOfficeがあります。
- インフラ系システム
- パソコン、サーバー、ネットワークやデータセンターなど
- インフラ系の基盤システムとして、認証認可システム(よく利用されているツールはMicrosoftのActive Directory, AD)、DNS、DHCP、システム運用管理ツール、ライセンス管理やヘルプデスクツールなど。
ワンポイントメッセージ:会社全体のITに関するレベルアップはビジネスパワーユーザーの育成にかかっています。
次項の”IT戦略”については「こちら」をクリックしてご参照ください。